第2回 蕎麦の脱穀と蕎麦掻作り
手間のかかる脱穀、手軽に作れる蕎麦掻
さて、第1回目の蕎麦うち体験は刈り取りと乾燥までの作業を行いました。第2回目は乾燥した蕎麦をいよいよ脱穀する作業です。
青いビニールシートをいっぱいに広げ、そこに乾燥状態の蕎麦の穂を一列に並べます。
穂の先の黒い蕎麦の実を、穂から分離するために脱穀用の道具を穂全体に打ちつけ、実を叩き落していきます。脱穀用の道具は長い棒の先に60センチほどの平らな板が先端に取り付けられて、棒を軽く上下させると、くるくると棒の先で廻るような仕掛けになっている。
回転する板がちょうど地面と平行になった状態のときに、蕎麦の上に振り下ろされると、その衝撃で蕎麦の実が穂からはじけ飛ばされるという仕組みになっている。
なれないと力を入れて棒を上下させてしまい、棒の上下運動と板の回転運動がかみ合わず、板はくるくるスムーズに回転しない。こつを飲み込むと棒を回転する板にあわせ、ゆっくり上下させ、板が地面に平行になったとき蕎麦の上に打ち下ろせばいい。
力を必要としないから女性でもできる。しかしこの道具、縄文の時代から進歩が止まったかのように単純な構造である。脱穀の方法はおそらく幾通りもあるのだろう、要は蕎麦を何かに激しく打ちつければ、実が外れる。プラスチック製の収納容器の角にしごくように打ちつけても、結構実は外れた。
実をはずされた茎を取り除き、ビニールシートの中央に蕎麦の実を集めるが、小さく砕かれた葉も混じり、遠目にはなにやらごみの塊のように見える。
葉や茎はふるいにかけて取り除く。ふるいの目を通り抜けた蕎麦の実だけが下へと落ちていく。
脱穀作業を終え、次に屋内へ向かい、蕎麦掻つくりを実習することに。
前回石臼でひいたそば粉、80gを使い、蕎麦掻を各自作ってみる。
アルミ鍋に粉と同量の水を入れ、だまにならないように手早く木へらでかき回す。満遍なく粉が水分を吸ったところで、残りの80gの水を入れかき混ぜると、木へらから糸を引くような薄さになったところで、中火に架ける。急激に水分が飛ぶので、力を入れて回転を早め、かき混ぜていくと、水分が飛んで粘りが出てくる。
モチモチとした粘りが出てきたところで鍋を火から下ろし、同じように力を入れてかき混ぜる。
粘りも強くなり、あらかた水分が飛んだところで、ぬるま湯に練った塊ごと放り込む。
湯の中で食べやすい大きさにちぎり、切り分け、あとはゆずの皮をおろしたものと、少量のそばつゆをかけて、食べる。
粉のかき混ぜ方が緩いと、粉っぽい触感が残ってしまう。
参加者全員が蕎麦掻つくりにトライして第2回目を無事終了することができた。