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トコトコ農園通信

2014年7月20日 更新

親子で楽しむ週末畑ライフ

星野 晶子

私がトコトコ農園をはじめて訪ねたのは、2011年東日本大震災が起きる1週間前のこと。子育てサークルで公民館を訪ねたときにみつけた農園の会員募集のチラシがきかっけでした。有機野菜無農薬野菜の宅配を利用していて、子供においしくて安心安全な野菜を食べさせてあげたいと思っていましたし、自分自身も野菜作りをしてみたいと思っていました。

トコトコ農園の「有機無農薬の野菜作り」「共同作業」「均等配分」というところに惹かれ、すぐに問い合わせをし、当時まだ8カ月だった次男をおんぶしてトコトコ農園を訪ねました。当時代表理事の神山さんが対応してくだいましたが、悠々自適なセカンドライフ世代ではなく、現役世代、しかも赤ちゃんをおんぶした母親が畑を訪ねてきて、さぞかし驚かれたのではないかと想像します。

私の実家はかつて米を出荷していた兼業農家でしたので、幼いころからちょくちょく畑にいき、農作業を手伝いながらも田畑は遊び場のひとつでした。トコトコ農園の畑に来たことで、当時土日には田んぼや畑での農作業に駆り出された懐かしい記憶がよみがえりました。有機無農薬野菜作りをしてみたいということだけではなく、自分の子供にも、かつての自分と同じように田畑での体験をさせてあげたいと思い、入会することにしました。


次の週から参加させてもらうことになりましたが、なんとその前日が3.11の大震災となってしまいました。これからどうなってしまうのだろうという不安の中、とりあえず翌日の土曜日に子供3人連れて畑に行くと、震災前となんら変わらない風景が広がる農園。大丈夫、何とも言えない安心した気持を感じました。まだ春夏野菜の準備期間中で、あまり作物が植わっていない畑の土の香りや風を感じながら、子供達は種まき、水やり、収穫といった畑作業を先輩方に教えてもらって体験、私も久しぶりに農作業をし、休憩時間にメンバーの方とお茶をしながら会話をしたことでとても癒されました。

農園に参加することで、これまでほとんど接点のなかった職業の方、人生の大先輩世代の方と交流できる機会ができました。核家族が増えて地域のつながり、世代のつながりが失われつつある中、畑作業を通じてこうしたつながりをもつことができたのは、とてもありがたいことだと感じています。


子供同伴での作業は、パートナーや農園のメンバーの方々の温かい協力が欠かせません。子供たちが幼いうちは、私とパートナーのどちらか一方が子供について、やってはいけないこと、危ないことをしていないか、作業の邪魔をしてないかに常に気を配り、のどが渇いた、おなかがすいたと言われれば、子供のそばについていなければなりません。

子供たちが成長し勝手がわかってきた今では、少しは大人二人が作業に専念できる時間が増えてきましたが、それでも他のメンバーの方にご迷惑をかけてしまったり、大人一人ができる作業量が減ってしまったりするのは否めません。そんな子連れ一家を温かく受けいれてくださる農園メンバーの方に感謝しながら、毎回の作業に楽しく参加させていただいています。


子供のしているたわいもないしぐさや、作業のお手伝いをしている姿をみて、農園メンバーの顔がほころんでいるのをみたり、作業の合間に子供達に声をかけてくださったりと、作業が大変なときでも、子供がいることで大人しかいない作業日よりもなごやかな雰囲気になると感じています。

畑で見せる普段と違う親の姿、農園メンバーが汗を流して真剣に作業している姿を、子供が遊びながらも間近で見られることは、とてもよいことだと思います。子供たちは畑での体験から、学校では決して学ぶことのできない何かを学び育っていきます。親である私も畑作業をすることでリフレッシュでき、人生の先輩であるメンバーの方からたくさん学ばせていただいていますので、それが日々の子育てにもプラスになっているのは間違いありません。


スーパーで売られている野菜をみても、食卓で調理された状態の野菜を食べても、いったいどんな野菜なのか、どの季節に、畑でどんな風に植わっていて、どうやって育ち、収穫に至るのか、わかる人はそれほど多くないと思います。

現代の子供達は、絵や写真でしかみたことがない、触ったことがない、実物をみてもどういう野菜かわからない、食べたことがない、というのが多いのではないでしょうか。幼稚園保育園小学校でやる芋掘り、大根や人参の収穫、ミニトマトをプランターで育てた程度では、わからないと思います。実際に畑にきて、体を動かして四季折々の野菜づくりを体験しないとなかなかわからないと思います。畑が暮らしの中の身近なところからどんどんなくなってしまったのは、とても残念に思います。


会員になり3年経って、農園にいくのが当たり前になった我が家では、持ち帰った有機無農薬野菜を、すぐに食卓に出していただくのが作業日の最高の贅沢な食事となっています。さっと茹でただけの小松菜、きぬさや、スナップエンドウ、インゲン、モロヘイヤ、トウモロコシなどは子供達も大好物ですし、ジャガイモや里芋も蒸しただけでもりもり食べてくれます。子供達は農園での野菜の生命力あふれる姿を見て感じ、その野菜をたくさん食べていると思います。自分も畑に一緒にいて収穫をいただいたからこそ、ほんとうにおいしいのだと思います。

子供たちにとって畑は週に1度の楽しい遊び場です。おんぶのころから連れていった次男も、今では畑にいる虫を捕まえたり、畑の雨水貯水槽にいる金魚に餌をあげたり、泥団子をつくったりして畑での遊びを楽しんでいます。小さな子供でも、草取り、種まき、収穫の手伝いなどを、大人と同じかそれ以上にがんばってやってくれることもあります。

そんな子供達の姿を見て、農園での作業に参加することで学校やテレビやゲームからは得られない、楽しい思い出をたくさんつくってほしいと思いますし、大人になったときに世界はどんなふうになっているのかわかりませんが、子供のころの農園での思い出を胸に、人生のどこかで畑作業をしてくれたらなぁとひそかに願うのです。そんな親の心子知らず。子育ては思う通りにはいかないけれど、畑での体験が将来自分の人生を歩む上での糧になってくれたらうれしいと思いながら、週末はトコトコ農園に通うのです。


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