関東地方では早々と木枯らし1号が吹いて朝夕めっきり冷え込んできました。
炎天下での雑草とりはかなり辛い作業です。秋冬の時期はそれがない分、畑の作業は楽になりました。
11月になって夏の間、物置小屋にしまって置いた薪ストーブを引っ張り出し、近くの雑木林に薪集めに行きました。軽トラックの荷台いっぱいの薪を畑に運び込みストックするのですが、薪拾いはワンシーズンで3回ほど繰り返します。
夏の間は蜂の被害が怖いので雑木林には入りません。その間何度かの台風で枝が引きちぎられ、林の中は薪にする枝がたくさん落ちています。
薪ストーブは暖を取るためというよりは、作業の合間に休憩をとるときに熱いコーヒーと蒸かし芋を食べるために使われます。結果としてコーヒーとサツマイモが体の内側から温めてくれます。
今年のサツマイモの出来は質、量とも合格点がつけられました。
昨年は一番とりごろ、食べごろの芋が野鼠に食われ、4割ほど被害を受けましたが、今年は毒入り餌を巣の近くに設置したおかげか、ほとんど被害を受けずにすみました。
サツマ芋は会員全員に均等に配分して、小さなものや折れた芋は配分せず、蒸かし芋にして食べてしまうのです。ベニアズマの改良品種の紅まさりは大きさも程よく、甘みの強い品種です。
寒くなると恋しくなるのが鍋料理です。
鍋料理に欠かせない定番の野菜といえばダイコン、ハクサイにネギです。
ダイコンは2度種まきしましたが、最初の分はトンネルをかけずにおいたので、芯食い虫の被害を受けて成育はいまいちです。毎週、全員で芯食い虫退治をしましたが、とってもとっても翌週には同じ数の芯食い虫が発生していました。延べ1ヶ月近く芯食い虫とのバトルが続きましたが、勝敗は1勝1敗の五分でした。
2回目の種まきはトンネルをかけたので芯食い虫の被害を受けず、順調に育っています。
一方ハクサイは苗の移植と同時にトンネルを架けて育ててきましたが、葉が大きくなりトンネルに頭が触れて窮屈そうになったのではずしました。そしてここのところの寒さで大きな葉が徐々に中心に向かって巻きはじめました。
あと2〜3週間もすれば硬くしっかり巻いて収獲できるでしょう。
ネギは種まきをして苗を育て、鉛筆ほどの高さになったときに移植し、その後育ち具合に合わせ土寄せをします。関東のネギは主に白いところを食べるので、白い部分を長くするため何度も土寄せを繰り返します。そのたびに土の高さがどんどん高くなっていきます。
農家では手動トラクターに土寄せ用のアタッチメントを取り付け畝と畝の間を走らせ左右の畝に土を寄せます。ちょうどラッセル車のように土を掻き分けていきます。トコトコ農園では鍬1本で畝間を往復して土寄せをしています。
一気に3畝くらいの土寄せをすると肩で息をするくらい疲れます。ネギは最初の種まきから最後の収獲までほぼ1年を要する手間と時間がかかる作物です。
また収獲は来年の春以降になるタマネギ、キヌサヤ、スナップエンドウそして小麦の種も11月に集中して播きました。
タマネギは種から苗を育てるのではなく、簡便に市内の種苗店から苗を400株購入して植えました。霜柱で苗が持ち上げられ、枯れないよう保温目的で4穴のマルチを敷き移植後しっかり土を押さえ、さらに株元に籾殻燻炭を播きました。
籾殻をじっくり燻すように燃やすと炭になります。黒色の燻炭は光を吸収しやすく保温、保湿の役割を果たします。
米農家は刈り取りの終わった田んぼで籾殻を円錐状に盛り上げ、てっぺんに煙突をのせて底辺から火をつけると、ジワジワと火が外側から燃えて、徐々に中心ならびにてっぺんに向かって燃え広がって行きます。
最近では米農家が減ってきたこと、野焼きが消防法上禁止されていることなどの理由で籾殻薫炭作りが見られることが少なくなりました。
トマト、キュウリ、ナス、ピーマン、トウモロコシといた夏野菜は背が高く一斉に収獲時期を迎えると畑が華やいで見えます。しかし、冬野菜は夏野菜のように背が高くなく、畑全体が平面的で華やいだ様子はありません。しかし、冬野菜は寒さが増すほど甘みが増してきます。
鍋のなかで冬野菜の甘さがジワジワ染み出てどんな具材ともうまくミックスして格別の味を出してくれます。冬野菜は鍋の主役にはなりませんが鍋には絶対欠かせない、いわば名脇役といえましょう。
クリックすると拡大されます。
ご興味、ご関心をお持ちの方は、何なりとお気軽にお問い合わせください。
メール:koji@ganbare-nougyoujin.org
ブログ:畑にそよぐ風(http://nougyoujin.blog.so-net.ne.jp/)