<<はじめに>>
最近の講演会で、「種子法」という日本のタネを守ってきた法律が廃止されたことを知り、これは「日本の農業」や「食」にこれから大変なことが起きると思ってこの稿を書くことにしました。
所沢市市民大学修了生の会「ところざわ倶楽部」講演会の関連資料や新聞記事を引用して出稿したものです。 「種子法」の廃止は“農”にたずさわる人にとって黙って見過ごすことのできない事態です。
【第1回】 「種子法」が廃止された!
戦後の日本の食と農業を支えてきた「主要農作物種子法」(以下種子法)が、政府の規制改革によって2018年4月1日に廃止されました。これまでこの種子法のもと、米や麦、大豆などの主要作物のタネの維持・開発のための施策がなされ、農家には安くて優良なタネが、消費者にはおいしい米などが安定的に供給されてきました。
しかし、規制改革推進会議は、この種子法が民間企業の種子事業への参入を阻害するとして廃止を打ち出し、2017年2月に閣議決定。満足な審議なく同年4月に国会で廃止が決まってしまい、2018年4月1日廃止されました。
この廃止により今後、米などの種子価格の高騰や、地域条件等に適合した品種の維持、開発などの衰退が心配されています。また、長期的には世界の種子市場を独占する遺伝子組み換え企業が、日本の種子市場を支配していく懸念も指摘されています。
それは、日本の食の安全、食糧主権がおびやかされることであり、消費者にとっても大問題です。米、麦、大豆のタネは日本の風土、歴史の中ではぐくまれた大切な財産です。
私たちの食と深くかかわっているこれらのタネについてともに考えてみませんか。
=2018年5月講演会チラシより
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