今年最後の婚カツと今年1年を振り返って
「畑で婚カツ」を今年春からはじめたのは若い人たちに農業を知ってもらいたいという思いからでした。その手段として婚活と農業を結びつけたのです。
農業ブームと婚活ブームを組み合わせた初めての試みでしたが、予想以上の反響がありました。ホームページを主体にした宣伝活動だけで毎回(春秋の年4回実施)確実に20名前後の参加者が集まりました。
参加者は埼玉県在住の方々が中心でしたが、遠く山梨、茨城から参加してくれた方もいました。お見合い、職場結婚という機会を失った若者たちは結婚を前提とした出会いに飢えています。婚活がはやるわけです。
過去4回の経験からおぼろげながら浮かび上がったいまどきの若者像を考えてみました。少子化の影響でしょうか、いまの若者たちは外見も中身も押しなべて優しいことがわかります。ことに草食系男子という言葉も作られたように、若い男性には羊のような従順さを感じます。
しかし、意地悪く裏読みすると「人から傷つけられることを恐れ、自分もまた人を傷つけたくない」優しさのような気がしてなりません。その優しさは人の内側にもう一歩踏み込めず、希薄な人間関係しか構築できないのではという懸念が頭をよぎります。
社会全体が「肝胆相照らす」とか「同じ釜の飯を食らう」濃い人間関係を築きにくくなっているのでしょう。
11月21日(日)に今年最後の「畑で婚カツ」を行いました。
イベント成功のキーポイントは参加者が互いに顔と名前が一致出来るかどうかにかかっています。
そのため、はじめに「2分間自己PR」を行い、昼食は参加者全員でつくります。昼食後は種まきと収獲の農業体験、簡単なゲームを2つほど行い、円滑にコミニケーションがはかれるような演出をします。ここまでは参加者たちは主催者が敷いたレールの上を走ればいいのです。
問題はイベント最後の1時間の「フリータイム」です。イベントの主目的である「お気に入り」の相手と自由に話が出来る時間帯を「フリータイム」と名づけています。
それまで主催者が意図したとおり、和気あいあいのいい雰囲気で会話が弾んでいたのに、「フリータイム」に入ると、押し黙ってしまいます。いわばレールがはずされた途端、何を話して良いか戸惑い、途方にくれてしまうケースがありますが、それが今回でした。
参加者の要望で会話の盛り上げ、仕切り役までおおせつかってしまいました。
内情をいえば最後の1時間は「あとは君たちでやってね」というのが正直なところです。主催者が「フリータイム」まで取り仕切るのは参加者にとっては「フリー」な状態ではないはず、と思うのですが。というわけで今回は最後の最後までレールははずすことなくイベント終了の3時を迎えてしまいました。
しかし、最後まで参加者の会話が途切れないような工夫と演出を考えるのが主催者としての責務です。来年に残された課題として重く受け止めています。
さて第4回の気になる出会いの結果は18人の参加で4組8名のカップル誕生のきっかけつくりに結びつきました。この数字が世間一般の「婚活」イベントと比べて多いか少ないかはわかりません。そしてカップルがその後、どんなお付き合いに発展したか、しなかったか、そのあたりも正直な話、掌握していません。ただただカップルからの朗報を待つのみです。
「婚カツ」初年度の自己評価としてはほぼ満足のいくものだったと考えています。
参加者には毎回、イベント評価のアンケートをお願いしていますが、おおむね良好でした。2年目を迎える来年は参加者がより満足するイベントにするべく気持ちを新たにして取り組んでいきます。ご期待ください。