第2回「畑で婚カツ」レポート
まずは「顔と名前を一致」させよう!
梅雨の晴れ間でなんとかもった一日、第2回「畑で婚カツ」イベントが終了した。
24人募集のところ、27名が参加、17人が女性で「女高男低」傾向は前回に引き続き同じだ。
遠めに畑道を27人の若い男女がこちらに向かってくるのが見える。梅雨空の畑に一斉に花が咲いたような明るさをかもし出す。
今回は茨城県結城市から新幹線で駆けつけた一人の男性がいた。主催者としては遠方から参加してくれる人のためにも、参加者が納得するようなイベントにしなければという思いを強くする。
この手のイベントとしては午前10時から午後3時までという時間をたっぷりとったつもりだが、参加者の立場で考えると、どうやらそうではないらしい。
やや大げさに言えば、たった半日で生涯の伴侶を決めるにはあまりにも短すぎるのかもしれない。
「畑で婚カツ」は男女の出会いのきっかけ作りにある。そう割り切ってまずは「顔と名前を一致」することをイベントの柱にすることにした。
主催者側としての挨拶、スタッフ紹介、事務連絡を一通りすませ、早速「顔と名前を一致」させるために2分間の「自己PR」を行った。
男女向かい合わせに座ってもらい、一人づつ自己紹介してもらうのだが、きっかりストップウォッチを使い2分間PRしてもらう。途中で話がつまったり、時間が余ってしまうときはスタッフが助け舟を出すよう、徹底した。
27人のPR内容は正直、意外のものが多かった。
「肉食系女子」と「草食系男子」は確かにいまどきの男女の一面を捉えた的確な表現ではあるが、表面をなぞる感もまた強い。
楽器演奏を趣味にする女性が3人いた。職業もさまざまでマグロ一頭さばける女性もいた。資格取得に意欲的な人もいた。日本酒研究を趣味にする男性はどこかの蔵元の前掛けをかけて自己PRしていた。ベランダ菜園を趣味にする男性もいた。農業生産法人に勤務する男性は将来独立して有機農業に取り組む夢を語っていた。
飛行機の操縦士を目指し、いまは趣味で軽飛行機を操縦する人もいる。
趣味も、生き方も多士済々で、魅力ある人が多い。
話の苦手な人には残り時間を使って名前を連呼してもらった。とにかく「顔と名前を一致」させることが大事で、話の巧拙は問わないと前もって強調したせいか、「自己PR」は狙い通りスムースに進行したように思う。
昼食後のゲームで打ち解ける
今回の昼食メニューはパスタとミネストローネのイタメシ系である。
イタメシには欠かせないトマトは畑のトマトを参加者に収獲してもらった。ニンジンも同じように食材として収獲してもらい、一部はスティックにして甘さを味わってもらった。
幸い天気はなんとかもってくれたが、雨による順延を想定して買い置きできるメニューがパスタとミネストローネだった。
また掘りたてのジャガイモは茹でて、バター、塩でシンプルに食べてもらった。
スタッフ合わせて40名分の食事はきれいになくなり、食後はジャガイモの収獲をしてもらう。今年は天候不順により作物の生育が遅れ気味である。昨年の今頃はジャガイモの収獲がすでに行われていたが、今年はまだ葉が青々している。周囲の農家にもたずねてみたが、いずこも同じで初収獲にはまだ10日前後かかりそうだ。
予定では1畝そっくり参加者に収獲させる予定だったが、それもかなわず、一人1株、葉が黄色く色づいたものだけを選んで掘ってもらった。
手土産としては少々物足りなかったようで、参加者には申し訳なく思っている。
次はせっかく畑に来てもらったので、野菜をメインにした「野菜当てクイズ」を行う。
くじ引きで6組にグループ分けし、ダンボール箱を細工した目隠しボックス6個に8種類の野菜を順に入れ、それを手で触って種類を当てるゲームだ。タワシを栗に唯一間違えただけで、キュウリ、ゴーヤ、バナナ、ナス、ジャガイモ、トマトなど代表的な野菜はことごとく全員当ててしまった。
判定しずらいものをあえて選んだほうが、さらに盛り上がったと反省している。
お手軽なクイズで参加者は随分リラックスして、声も良く出ている。
良い相手に恵まれて
雰囲気がよくなったところで、最後のゲームを始める。「相性診断テスト」は占い好きな女性を意識したものだ。昼にアンケートを回収したが、そこには異性を意識するパターンを4つ上げ、自分がどのパターンなのかを答えてもらっている。
まず人数の少ない男性の答えを一人一人読み上げ、集計ボードに名前を書き込む。次に女性の名前を同じように読み上げ、答えをボードに転写する。
相性の良いパターンの組み合わせ、その逆を解説しながら、最終的には相性の良いグループ同士固まって、フリートーキングしてもらった。
半ば強引に、互いに意識させマッチングさせようという狙いだ。
はじめの挨拶の中で、「今日はなんとしても、3組のカップル誕生を目指します」と宣言した手前、結果がでることを期待していたが、実は心中穏やかでなかった。
フリートークの時間は約40分間と長めにとったが、好相性グループ同士で固まり、話は随分弾んでいた。前回はフリートークになった途端、気まずい沈黙が一瞬続いてあせったが、今回はその心配は全く無用だった。
その逆で盛り上がりに水を差すように、帰りのバスの時間もあり、予定の3時に切り上げた。「お気に入りカード」に異性の名前を書き込んでもらい事務局が回収した。
参加者の一人の男性に〆の挨拶をしてもらったが、彼の音頭でわれわれスタッフに声を合わせ感謝のお礼を言ってくれた。主催者冥利に尽きるお礼の大合唱だった。
参加者にはスタッフによる手作りの「新所沢」駅周辺飲食店マップを渡し、帰りに立ち寄ることを奨めた。後日参加者からメールが来て、6人のグループで紹介された居酒屋に立ち寄ったことを知った。
さて肝心のカップ誕生だが、目標の3組をうわまわり、4組がうまくマッチングした。
結果は上々、というより出来すぎたくらいだった。
バスの時間に合わせ、来た時と同じコースで参加者は三々五々、帰っていったが、名残惜しそうに畑越しの遠くから、われわれに向かって手をふってくれた。
みんな良い相手にめぐり合えよ!心からそう念じた。