さいたま 観光 食べ歩き <4>
2月28日(日)、宮代町で埼玉県グリーン・ツーリズム推進協議会主催の「畑で婚カツ」イベントが開催された。
当日ドタキャンが男女それぞれ1名ずつでたが、うまい具合に男女19組のペアが揃い、イベントはいい具合に成立した。
この時期としては思いもかけない大雨で、野外で予定していた「農リンピック」から急遽集会場で室内ゲーム3種類を行うことにした。
5:5の男女ペアを4組作り、ゲームの勝敗を競ってもらった。
<ゲームその1>
皿にマメを10粒乗せて、そのマメを箸で挟んでもらい、隣の人へマメを渡していくというゲームだ。
ウォーミングアップで各組の先頭の人に、実際にマメを箸で挟んでもらったが、衆人注目の中で冷静に箸を使うのは意外に難しそうだ。緊張でマメがスルスルと逃げてしまう。一人が10粒を挟み、隣に渡すのはかなり時間がかかりそうだ。
そこで急遽ルールを変更して10粒から3粒へと大幅に減数したが、それでも箸使いの苦手な人は四苦八苦している。箸使いから人となりをチェックされのかと思うと、緊張するのも無理からぬことか。
<ゲームその2>
宮代町の近隣農家が作った各種野菜類を組み合わせて、買い物籠に収め、その野菜の重さを計量して10kgに最も近いグループが1位となるゲームである。
昔懐かしい時代物の秤をはじめて見る人もいただろう。あるいは写真の中でしか見たこともない現物が重々しく置かれている。
<ゲームその3>
農業や農作物に関する知識を試す回答ゲームだ。一問一答をペアが相談して判断するのだが、かなり高度な問題が続く。
3種類のゲームの総合得点を競い、1位のチームには金色のスプレーで色付けした移植コテがゴールドメダル代わりに授与された。
一つ一つのゲームはなんともたわいのないものだが、シンプルゆえのわかりやすさが受けたのか結構盛り上がるものだ。
午後からは場所をイチゴハウスに変えて、昼食のピザ作りとデザートのイチゴ摘みを行う。
グループ編成を変えて、全員がグループを通じで顔合わせできるよう工夫した。
イチゴ摘みはめいめいが勝手に摘むのではなく、「あなた摘む人、私受け取る人」という具合に必ずペアになって、おのずと会話できるよう仕向けた。
ピザは2人で1枚、生地をのばしトッピングしてもらった。意外だったのはトッピング用のトマトをスライスするのは男性の役割だったこと。
女性は意識したかどうか、男性の料理の腕を見極めるためにあえて手を出そうとしなかったのか、乙女の心は計りかねる。「男だってきちんと家事をするのは当たり前」と試されていたのかもしれない。
大雨でなければ、このために作った石窯でピザを焼く予定だったが、それも叶わず、新しい村内のパン工房で代わって焼いてもらった。
再び集会場に戻り、焼きあがったピザを食べ、デザートにイチゴをほおばり、しばし歓談が続く。
互いに顔と名前が一致し始め、会話も弾んだのだろう、会場内は騒々しいくらいである。
午前10時から始まった「畑で婚カツ」はあっという間に終了の3時を迎えてしまった。
最後にそれぞれ渡されたカードに気に入った相手の名前を書いてもらい、事務局に渡してもらった。カードがマッチングしたペアには事務局から双方に連絡して、互いの連絡先を教えることにした。
19組の組み合わせの中、3組がうまくマッチングした。
この割合が高いのか低いのかは、わからないがこれを機にお付き合いが順調に進んでもらえれば、主催者としては望外の喜びである。
盛り上がったのはイベント参加者だけではない。新婚生活を宮代町で3年間おくれば町から補助金が支給されるとことが新たに発表された。
イベント開始の挨拶で町長が来られ、挨拶をするほど町をあげて「畑で婚カツ」を支援してくれている。
今後、埼玉県内各地で埼玉県グリーン・ツーリズム推進協議会主催の「畑で婚カツ」が行われる。
若い人たちが農業へ眼を向けてもらうには絶好の機会である。さらにこのイベントをきっかけにカップルが生まれることを期待したい。