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田舎暮らしのポイント

第12回 オススメの福島県南地方


 福島県はほぼ四角形をしています。その四角形底辺の中央部やや東寄りの北関東沿いに位置する塙町・棚倉町・矢祭町そして鮫川村の四町村一帯を県南地方と呼んでいます。また福島県は全国第二位の広い面積をもち、通常、会津・中通り・浜通りの三つの地域に区分しています。

 県南地方は中通りの最南部に位置して、栃木、茨城両県に接しています。つまり県南地方は東北六県のなかで首都圏、関東圏に最も近く、東北(みちのく)の玄関口といわれる所以です。

 アクセスは新幹線・新白河駅、東北自動車道・白河インターと常磐自動車道の那珂インターの二通りですが、ともに新幹線、高速道路から30〜40分の距離にあります。近からず遠からずの旅行気分が味わえる絶好の距離といえましょう。

 だだっ広い関東平野が尽きると、東北の山間部への入り口に達しますが、そこが県南地方です。この地域は典型的な中山間地域で久慈川の源流が県南の中心部を流れ、良質の水、寒暖の差により、うまい米がとれる特A米作地域です。新潟のコシヒカリ、秋田のコマチ、山形のひとめぼれに肩を並べる米どころです。

 県南地方は那須、会津に隣接しているので数ヶ所のスキー場に一時間程度で行くことができます。また夏は阿武隈山系をこえれば、30〜40分で太平洋を望むことができます。久慈川で渓流釣り、太平洋で海釣りと、太公望にも魅力ある地域です。もちろん四方が山に囲まれているのでアウトドア派の人には格好のフィールドがふんだんに用意されています。

 一見、寒そうな印象の県南地方です。しかし標高差にもよりますが年間平均気温は12度程度、降雪量も過去5年間平均で36センチと少なく、表日本型の温暖な気候です。暖房具は必需品ですが、クーラーの必要は感じません。水を張った田んぼと山の木々が夏の暑さを和らげてくれます。ヒート・アイランド現象などありません。

 じめじめした雨が続く梅雨期の日本列島ですが、意外なことに県南地方の6月は降雨量も驚くほど少なく、一年でもっともすごしやすい時期です。梅雨が苦手な人には朗報です。

 かつて首都圏移転が話題になりましたが、ここ県南地方が移転先候補のひとつにあげられていたのはご存知でしょうか。その最大の理由は地震が極端に少ないことです。日本の活断層の分布地図を見ると、全国いたるところで小じわのような活断層が無数に走っています。けれど県南一帯は活断層のマークがすっぽり抜けている地域です。東海地震など大規模地震が予知されていますが、田舎移住を考えている人はぜひ候補地選びの条件に地震を考えることをお勧めします。

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県南地方の地図