お知らせ

  • 前のページへ
  • 次のページへ

田舎暮らしのポイント

第6回 自然を熟知した農家


 いまは農協などが農作物の栽培マニアルを作成していて、まったくの素人がマニアルにそって作っても味、形は別にすれば、それなりのものが作ることができます。これは極端な例ですが、自然相手の農業で求められることは、繰り返しで習得する栽培技術、天候、気象を読む力、不測の事態に対応する判断力など、経験の蓄積がものをいいます。

 ということは経験豊富な人、つまり年寄りの地位が必然的に高くなるような社会の仕組みになっています。

 「百姓」が意味するところは二つ説があって、一つは今日の農業以外に機織、紙すき、タバコ、稲わらを使った民具つくりなど、さまざまな仕事をして生計を立てていたから「百の顔(姓)を持つ人」説と自然を相手にする仕事柄、あらゆることに精通していたので「百の知識を持つ人」説がある。

 もうひとつ、田舎暮らしで気付くことは、お年寄りの存在感が際立っていることと、家父長の権力が強いことがあげられます。

 「横のものを縦にしない」という様は今となっては死語の世界ですが、田舎ではこれがまだまだ残っています。いたって優しい近頃の父親には別世界のような羨ましい世界が広がっています。

 100円亭主の存在感のなさと比べると愕然とするでしょう。

記事関連の写真