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中国華北地方発祥の野菜


 ハクサイは、英語で「Chinese cabbage」、仏語で「chou de Chine」など、「中国のキャベツ」の意で呼ばれるように、中国華北地方発祥の野菜だといわれています。約2000年前にヨーロッパの麦畑で雑草として生えていたナタネの種子が、麦などに付着して中国へ伝播しカブやツケナなどの葉類に分化、その後7世紀ごろ両者が交雑してハクサイの原形が生まれ、11世紀に品種改良によって結球種が誕生しました。キャベツと同様、結球する品種と結球しない品種がありますが、 日本で一般的にハクサイと呼ぶのは結球または半結球するタイプです。

 日本への渡来は新しく、明治時代初期といわれていますが、当初はうまく結球にすることができず、ほとんど普及しませんでした。日清・日露戦争に従軍した兵士たちが、旧満州で本場のハクサイを初めて食べておいしさに感動し、種子をポケットに忍ばせて自村に持ち帰ったことがきっかけで、大正から昭和にかけて本格的な栽培が広まりました。中国から導入された種子をもとにして、日本でさまざまな結球する品種が誕生し、宮城県・愛知県・石川県で、それぞれ「松島群」「野崎群」「加賀群」という、日本のハクサイを代表する三大品種群がつくりだされました。


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