間引きの目安
市販の野菜の種を買うと、袋の裏側に播きどき、播き方、種の原産地表示などいろいろな情報が記載されています。
その情報のひとつに「発芽率」が記載されています。80%と表示されていれば種を10粒播いても8粒程度しか発芽しません、という意味です。
そのため、種を播くときにはひとつの穴に種類によって異なりますが2〜4粒ほど種を播くようにしています。
種を播いてから数日後には双葉が地表に姿を現します。次いで本葉が出てくるころから、「間引き」のタイミングを考えておきます。
種類によって播き方、間引きのタイミングなど個々に異なるので、ここでは大雑把な目安を示します。
まず種の播き方は小さな種は筋まき、ばらまきのように比較的密集して種を播きます。
したがって発芽時には隙間なくびっしりと双葉が顔を出すので、本葉の生育具合に応じて、たとえば本葉1枚のとき、3枚のとき、5枚のときのように3段階に分けて間引きをして、最終的に1本仕立てにして育てます。
このように間引きを複数回にわたって段階的に行う理由は作物の成長過程で互いに競わせると、丈夫で強いものに育つという経験から行われてきたようです。人参の例ですが、人参の種はとても小さく、筋蒔きにするので、密集して芽が出てきます。このとき間引きしすぎて、はじめから1本仕立てにしてもうまく育ちません。よきライバルの存在が人を強く育てる、ということに通じる話です。
つまり「間引き」の目安はあまり早すぎても、反対に遅すぎてもともにうまくいかないということです。そのためのタイミングを本葉の数で目安をつけています。
では隣り合った芽のどれを残して、どれを間引くのかの判断は本葉の状態をよく見ることです。残してよいものは本葉の左右のバランスのよいもので、葉が縮んでいたり、虫に食われているものなどを間引きの対象にします。
先日、大根を間引きしました。ひとつの穴に3粒ほど種を播きましたが、ほぼ1ヵ月後に1本仕立てにして残りの2本を間引きました。葉と茎はとても柔らかく、間引き菜としてすぐに調理して食べてしまいました。
大根の葉はビタミンCが豊富に含まれており、味噌汁の具、一夜漬け、軽くごま油で炒め、醤油をかけて食べても良し、捨てるところのない食材です。