中国問題を考える参考書
アメリカのサブプライムローン問題が発火点となって、世界的金融不安が広がりつつあります。
かつての日本もバブル崩壊後、経済が停滞し、失われた10年という苦い経験をしました。今回はEUからロシア、インド、中国まで同時株安、金融不安が飛び火して、世界同時不況の様相を呈してきました。
中国に関しては「一国二体制」、「都市と農村の二重構造」、「多民族国家」など矛盾や火種を抱え込みながらも、驚異的な経済成長を成し遂げてきました。中国経済の成長の原動力は北京五輪、上海万博がらみのそれであるから、2010年以後は急速に中国は衰退するであろう、という予測をする人もいました。
予測の信憑性はともかく、中国が抱える問題のもっとも深刻な点は「三農問題」ではないでしょうか。農業は食べることに直結しています。中国歴代王朝の命運は常に農村、農民がその鍵を握ってきました。共産党が君臨する現在の中国は、いわば形を変えた歴代王朝のひとつともいえます。その意味でこれからも中国共産党が継続して権力を維持するには、農業問題は避けて通ることはできません。
中国の農業問題を取り上げた著作の中から代表的なものをあげてみました。書評形式で紹介されていますのでご参考まで。
<著者:清水美和 書名:「中国問題」の内幕」>
http://book.asahi.com/review/TKY200804010138.html
清水美和の著書には「中国農民の反乱」(講談社刊)もあります。
<著者:陳桂棣・春桃 書名:「中国農民調査」(文芸春秋刊)>
http://www.asahi.com/international/aan/review/review54.html
<著者:李昌平 書名:「中国農村崩壊 農民が田を捨てるとき」(NHK出版刊)>
http://www.asahi.com/international/aan/review/review38.html