トウモロコシの不思議
3月5日、12日の2週にわたって種まきをしたトウモロコシ2種類(スイートコーンにホワイト)が順調に生育しています。
ビニールトンネルを突き破らんばかりに成長したところで、トンネルを取り外しました。
いろいろな野菜の生育過程を見ていると面白いこと、不思議なことに気づかされます。
ホウレンソウや小松菜のような葉ものは、小さな双葉が地表に現れ、時間とともに次々に葉がでて成長していくのであまり不思議さは感じることが少ないように思います。
またトマト、キュウリ、スナップエンドウのようなつる性の野菜も、小さな花が咲き、受粉し、やがて結実した実が徐々に大きくなっていく様子を逐次見ることができるので、あまり不思議さを感じるまでにはいたりません。
不思議な生育過程を見せてくれるのがトウモロコシです。
もいだトウモロコシの実の先端にきらきら光る細い絹糸のようなものがありますが、これがトウモロコシの雌花で、絹のように細くて長い管を通って一粒一粒の実へとつながっています。したがって絹糸の本数と実の数は必ず一致します。お暇な方は数えて確かめてみたらいかがでしょう。とうもろこしの皮を剥くと時々、歯が抜けたような部分がでてきますが、絹糸を通って実にうまく受粉しなかったためです。
トウモロコシの背丈が大きくなると、その茎の頂上部になにやらススキの穂のよう形をしたものがでてきます。これがトウモロコシの雄花です。
雌花は雄花より下の茎にあります。現時点ではまだ生育途中で雌花が出てきておらず確認できません。普通の花はメシベとオシベが接近していますが、トウモロコシは離れて、下の葉っぱの付け根に雌花が出てきます。したがってトウモロコシのような植物を「雌雄異花(しゆういか)」と呼びます。
さらに不思議なのは、トウモロコシの雌花は雄花よりちょっと咲く時期が遅いのです。上で咲いていた雄花がしおれたころ、下の雌花が咲き出します。ならばどうしてトウモロコシは受粉できるのでしょうか、不思議です。
実はトウモロコシは自家受粉できない代わりに風で運ばれてくる他のトウモロコシの花粉をもらうのです。そのため、トウモロコシは1畝に対面するように2列植えるようにします。なぜトウモロコシはこのように受粉から結実まで手間がかかるのでしょう。正直、その理由はよくわかりません。