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「成長の限界」を再認識する


 1960年、世界の人口は30億人でした。それが1999年には倍の60億人に達しました。人口増加のスピードは1960年の時点で10億人増加するのに60年かかっていましたが、1999年の時点ではたった12年で10億人が増加するまで、年々増加のスピードが速くなっています。

 アメリカ国勢調査局の推計による「世界人口時計」がネット上で見ることができます。

http://arkot.com/jinkou/index.htm


 今から36年前の1972年にローマクラブが、MIT工科大学のデニス・メドウズを中心とする若手研究者グループに委託し、100年後、世界は人口、食料、資源、環境汚染でいきづまるという「成長の限界」を唱えました。このあたりの概要は環境文明21代表理事で、当NPOの理事をしていただいている、加藤三郎さんの“「成長の限界」との30年”に簡略にまとめられていますので参考にしてください。

http://www.neting.or.jp/eco/kanbun/kaze/0506.htm


 大筋ではローマクラブが警鐘を鳴らしてきたように「成長の限界」が私たちの足元である日常生活にひたひたと、影響を与え始めています。旱魃が穀倉地帯を襲い、世界的な穀物不足をもたらし、投機先を求めて世界のマネーが食料資源を食い尽くそうとしています。ガソリンに代わるエタノール生産のために世界的なトウモロコシ生産へシフトした影響で、大豆が減産に追い込まれています。

 また、世界人口の大部分を占める中国、インドが食料輸出国から輸入国に転じて、さらに食料の逼迫に拍車をかけてきています。中国、インドは日本が農業から工業へと産業構造を換えた成功例を手本に同じ道をたどっています。増える人口、減る食料。どうする、ニッポン、どうする世界。


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