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お米、よもやま情報


 1972年発行の中尾佐助著「料理の起源」(NHKブックス)は著者の研究対象である“種から胃袋まで”の“胃袋”の部分をまとめた労作です。“胃袋”とは表題の通り、料理にポイントを当てた内容ですが、著者の言葉を借りれば「加工、料理の問題は、いわば学問的に研究されることの非常に乏しい分野」で「今までの学者は理解しがたいほど冷淡であった」ということです。

 この本の第1章のお米の炊き方がもっとも興味深いところですが、アジア大陸の大部分は「湯取り法」といって、大量の水で米を炊き、途中で「おも湯」をくみ出してしまい、残った湯で弱火で蒸しあげていく炊き方です。これだと炊き上がりはパサパサで日本人には好まれないご飯になります。

 日本は古代の昔からこの「湯取り法」をしてこなかった数少ない地域です。鎌倉時代では上流階級はお米を直接蒸す「おこわ」が主流で、庶民は「お粥」にして食べていたそうです。後に柔らかい「お粥」の水を少なくしていって、現在の硬いご飯にした食べ方が主流になりました。水分が多く粘りの強いジャポニカ米でも炊き方によってはパサパサのご飯になるという話は新鮮でした。

 以下はお米に関する情報サイトです。

 玉川大学の社会科教育研究グループがまとめた、写真による「田植えから稲刈りまで」。

http://www.tamagawa.ac.jp/SISETU/kyouken/WebLibrary/rice-1/index.html


 そして全国各地の水田の様子をまとめた写真集です。関東以西の93箇所の「田んぼの写真館」。それぞれ田んぼの表情が違って、みているだけで楽しくなります。

http://www.citydo.com/rice/photo/


 最後はお米つくりのさまざまな道具類を集めた写真つき解説サイトです。ひとつひとつの道具を見て、思い出すことがたくさんあるとおもいます。2〜3時間はこの話題で盛り上がること間違いありません。

http://meta.affrc.go.jp/afftool/daibunrui/daibunrui.htm


記事関連の写真

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「玉川大学学術研究所 社会科教育研究グループ」のページが開きます。

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「写真でたどる農機具の発達史」のページが開きます。