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野菜の種も海外生産


 私たちの食べ物の6割が外国からの輸入に頼っている。

 スーパーでは外国産野菜が目立つが、野菜に限っていえば自給率は8割弱で全体平均の約2倍になっている。ただし、平成元年の野菜自給率は9割を越えていたが、年々右肩下がりになっている。

 ところで今回は野菜の元となる種の話である。

 ご存知のように野菜の種の主流はF1である。F1とはFilial 1の略語で、「第一世代の」という意味。ハイブリッド品種ともいう。縁の遠い遺伝形質を持つ親をかけ合わせて作った雑種の一世代目のこと。雑種第一代は、優性形質だけが現れ劣性形質は潜在するというメンデルの法則を利用して、高収量、均一、早く育つ、耐病、耐虫、美味などの好ましい性質を持たせるために異なる品種を人為的に交雑させて生み出した優秀な品種である。F1はおなじ優れた性質のものを安定的に収穫できる利点があるが、翌年はその優れた性質をまるまる継続することはできない。そのため農家は毎年、新たにおなじF1の種を購入している。

 日本はこのバイオテクノロジー技術において世界的に見ても高水準にあるが、日本の製造業がコストとの見合いで盛んに生産拠点を海外に移転してきたように、野菜の種も大半が海外で生産されている。野菜の種を購入して、種の入った袋の裏側の表示に気づかれた方も多いと思うが、生産地は圧倒的に外国である。

 このF1に対して最近見直されているのが在来種である。代表的なのが京野菜、丹波の黒豆などだが、全国各地で在来種の見直しがなされている。

 その辺の事情を「東京新聞」がシリーズ「食乱、何たべてるの」で詳しくレポートしている。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2008010402076867.html


 映画「いのちの食べ方」<2005年オーストリア・ドイツ合作>の記事が1月25日、朝日の朝刊に掲載されていた。工業化された食材生産の実情を淡々とレポートした映画だそうだ。2月2日〜2月15日「ポレポレ東中野」でてロードショー公開される予定。予告編が 「YouTube」で見られる。

http://www.youtube.com/watch?v=jY5hkiE51ac


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