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来春の準備にとりかかろう


 この夏の間、可憐な花と10cm以上の大きな実で楽しましてくれたオクラが終わり、2つのプランターが空きました。

 そこで来春の収穫に向けて2種類の野菜を作ることにしました。

 「紅菜苔(コウサイタイ)」と「ルッコーラ(ロケットサラダ)」です。


 「紅菜苔(コウサイタイ)」は字面から容易に想像がつくと思いますが、中国原産の野菜です。写真のように赤い茎、黄色い花で、オクラのように見て楽しみ、食べて喜こばれる野菜です。

 種は春から秋にかけていつでも播くことができる、ベランダ農業にはうってつけの優れものです。花が咲き始めの頃に柔らかい茎と花のつぼみを収穫します。茎の赤さは寒さにあうとよりいっそう色鮮やかになります。食べ方は・・・そのとき説明しましょう。うまく育つかどうかわからない時点で「取らぬ狸の皮算用」はやめましょう。


 「ルッコーラ(ロケットサラダ)」はイタリアンサラダに欠かせない一種のハーブです。

 ゴマの香りがして、種まきから2〜3日で発芽し、1〜2ヶ月くらいで食べられるので、せっかちな人向きの野菜です。ハーブと名がつく種類は大概丈夫で、「ルッコーラ(ロケットサラダ)」は半日程度日が当たれば育つ、と種袋の裏側に説明書きがあります。

 「紅菜苔(コウサイタイ)」と同じように栽培しやすい野菜です。

 うまく育てば年内にもイタリアンサラダにして食べられるかもしれません。


 さて話は変わります。

 この春から夏にかけて、オクラと同じように収穫が楽しみだったのは「イチゴ」でした。

 二つのプランターで育てていたものですが、大きさは小さめでしたが、その甘さはスーパーで買った「イチゴ」と遜色ありません。収穫が終わる夏ごろから親株から沢山の子株がツルを伸ばしてきました。そこでもう一回り大きいプランターを用意して、親株のプランターの横に置き、ツルの先端の根を活着させました。長いツルには次々と子株が伸びてきますが、活着させるのは第2,3番目の子株で、第1番目の子株は育てません。親株の栄養が細長いツルを通して子株に送られてくる間はそのままにして、そのツルが黒く変色したのを見計らって切ってしまい、親株と子株を離してやります。


 イチゴは多年草で古い親株になる実は年々小さくなっていきます。そこで子株を別のプランターに誘導して育てていけば、さらに大きく甘い「イチゴ」が収穫できます。

 来春は三つのプランターに「イチゴ」が実るはずです。楽しみです。

>> 茂木清一 <<
1948年埼玉県生まれ。埼玉県美里町で農業を営む。元JA技術指導員。
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「紅菜苔(コウサイタイ)」と「ルッコーラ(ロケットサラダ)」の種袋

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同上のそれぞれの種。小さくて見づらいくらいの大きさ。

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子株を別のプランターで株分けしたイチゴ

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新しい芽がどんどん育ってきています。

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親株と比べてみても若くて元気のよい若葉。