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地産地消と道の駅


 その土地でできたものをその土地の人が消費する。いわゆる「地産地消」は各地の「道の駅」で実践されている。

 地元のスーパーや全国規模の大手スーパーでも地元野菜を販売するコーナーをよく見かけるようになってきている。しかし大手スーパーの「地産地消」の取り組みの実践例はまだまだ少ないと聞く。筆者の近所にある大手スーパーでは同一県内のある特定地域の野菜しか扱っていない。しかも特別のコーナーを設けて「実験的に販売している」という扱いである。

 このスーパーから車で5〜6分も走れば農地が広がり、各種野菜が作られているにもかかわらず、正真正銘の「地元野菜」は取り扱っていない。


 「道の駅八王子滝山」は地元農家の取りまとめ役の「農産物直売所出荷組合」から日々、新鮮な野菜を仕入れしている。この出荷組合を取りまとめている小林組合長に会って話を伺ってきた。

 現在、組合に登録している農家は150軒あまりで、広い八王子市内に点在している。小林組合長自身も代々の農家で生産作物の約7割を「道の駅八王子滝山」で販売するまでになっている。そこで道の駅のごくごく近くに小林組合長の畑があるので、案内してもらうことになった。

 この時期はトマトや各種葉物も終わり、いまはナスと谷中生姜が作物の中心となっている。

 小林組合長のナス畑は「道の駅八王子滝山」の裏手に流れる小さな谷地川(やじがわ・一級河川)沿いを少し上流にのぼった川沿いにあった。この畑からさらに上流の山越に「創価大学」のキャンパス内の建物が見える。川を挟んだ反対側には緑のじゅうたんを引きつめたような水田が広がっている。ここが東京であることを忘れてしまうような、のどかな田園風景が広がる。

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谷地川越に「創価大学」を望むところになす畑があった。

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谷地川沿いに畑が点在する

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小林組合長のナス畑