「道の駅」の役割
高速道路を利用すれば、必ずといってよいほど一度はお世話になるサービスエリア。
トイレ,休憩、食事、そしてショッピングと使い勝手は多岐にわたっている。
一般道の走行中に、急にトイレに駆け込みたくなってコンビニを利用したことが多々あった。そんなとき、トイレの使用料代りに必要のないものを買った経験がある。
コンビニ店の数には遠く及ばないが、一般道のサービスエリアの役目を果たしている「道の駅」はドライバーにとって心強い存在である。
平成5年にスタートした「道の駅」は国土交通省所管だから道路・交通情報を備えているのは当然だが、地域の特産物や食事が用意されて地域振興の役割も重要なポイントになっている。そして07年8月現在、全国の「道の駅」は868箇所ある。そして年々その数は増加傾向にある。
NPO「がんばれ農業人」は農業ならびに農村の地域振興を目的として設立・活動してきたが、「道の駅」が地元農産物・加工品を販売する重要な役割を担っている点に着目して、各地の「道の駅」を取り上げ、調べてみようということになった。
そして最初に取材をしたのが、今年4月に東京で初めてオープンした「道の駅八王子滝山」である。
「道の駅八王子滝山」の話の前に、八王子市について少し触れることにする。というのも「道の駅」に期待するものは地域の振興であるから、「道の駅」のある地域は都市部から外れたところが多い。
ところが八王子市は人口54万人で古くは織物で栄え、いまは市内に23の大学、11万人の学生が学ぶ一大学園都市である。八王子市に隣接する、あきる野、昭島、日野、多摩、町田、そして神奈川県相模原の各市の人口を合計すると、なんと205万人である。
この人口に近い県をみると栃木、群馬(ともに200万人)岐阜(210万人)、長野(220万人)となる。
つまり「道の駅八王子滝山」の特色を一言でいえば都市型の「道の駅」である。都市のど真ん中に作られた「道の駅」といえよう。
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