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ちょっと早めのオクラ作り


 4月になりました。前号で触れたとおり、オクラの栽培にとりかかります。

 露地栽培の場合、種の播き時は5月中旬から下旬にかけてとありますが、「ベランダ農業」ではあえて4月早々に種まきをしてみることにしました。

 しかもプランターでの直まきと黒ポットで苗を育て、移植する二つのやり方でオクラ栽培を試みてみました。

 オクラは基本的に移植を嫌う植物なので、直まきがおすすめですが、失敗しても何ぼのものでもないので黒ポットで苗を育て、移植する方法も並行してトライしてみました。

 いずれのやり方でもまず準備することは発芽を促進するため、温んだ水に1〜2日、種を浸しておきます。オクラの種は写真にあるとおり山椒の実に似た大きさ、形状をしています。

 殻は石のように固く、発芽促進のために温まった水に浸けるのです。

 たっぷり温かい水に浸かった種の硬い殻の一部がほんの少し割れたようになり、そこから白っぽい芽のようなものが見えてきます。発芽のスイッチが入ったオクラをいよいよ3〜5粒単位で、プランターと黒ポットに移し変えます。種を多めに播くのは種袋の裏面に「発芽率」が70%というふうに表示されているからです。種がうまく発芽するかどうかは水に浸した時点でもわかります。水に沈まず、表面に浮いた種ははじめから取り除いてしまいます。

 さて手始めに黒ポットを4個用意してみました。うまく生育すればじか植えのプランターとは別に、もうひとつプランターを用意して育てる予定です。

 プランターでのじか植えは2条植えにします。プランターを8等分(株間、12〜13センチ)にしてその中心に3〜5粒の種を播いていきます。4月初旬の気候はまだ朝方冷え込むので、高温を好むオクラですから、手作りマルチ掛けをして寒さをしのぎます。

 気温が温かなまま順調に推移すれば、10〜14日後には土を割って芽が出てくるはずです。

>> 茂木清一 <<
1948年埼玉県生まれ。埼玉県美里町で農業を営む。元JA技術指導員。
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山椒の実に似たオクラの種

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発芽促進のため種を水に浸ける。左上部に2つ種が浮いている。

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黒ポット4個とじか植え用の浸した種

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オクラの花