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茨城の有機農家をたずねて


 先日、新規就農したHさんを訪ねて筑波に出かけてきました。

 みわたすかぎりフラットな台地が続く筑波。遠景にぽつんと突き出た筑波山が見えます。

 このあたりは地味も肥え、絶好の耕作地ですが、休耕地は耕作面積の70%にも達しているといいます。

 平成17年に開業した「つくばエクスプレス」は「秋葉原」と「つくば」間、58,3Kmを45分で結んでいます。東京から埼玉の一部と千葉を横切り茨城県の筑波へと通じており、沿線は住宅開発もすすみ、首都圏のベットタウンとなっています。

 したがって筑波一帯の農家は土地価格の上昇期待と後継者不足から、農家の農業離れが急速にすすんでいます。

 日当たりのよい休耕地は芝生を作る企業が借り受け、虫食いのような状態で芝が植えられています。一見すると、緑のじゅうたんが広がり、雑草が伸び放題の休耕地を有効活用していると、好意的に捉えてしまいがちですが、これが大間違い。

 芝生の育成管理は大量の農薬を使うことではじめて可能になるのだそうです。当然、周りの畑への影響もでてくるし、これを元の畑へと戻そうとするとしみこんだ農薬が消滅するまで数年かかるといいます。

 このような環境下で県下のフリーペパーの編集をしていたHさんは、完全無農薬のおおば作りに挑戦しました。新規就農1年目はただひたすら、いい土を作ろうとして、ただの一本もおおばを植えなかったそうです。

 何棟ものビニールハウスの横には土作り専用のハウスがあります。主成分は籾殻。これを短時間で分解、乾燥させ、室内で野積みををしながら発酵・完熟させた堆肥を作っています。

 この堆肥で作ったおおばは、収穫後、少しの水分を補給していれば1週間は黒ずむことなく、みずみずしいまま保存できます。香りもおちず、農薬づけのおおばとは比べるまでもありません。

 有機農家の大半は農協から相手にされず、また自らも農協に頼らず、独自の販路を開拓しています。NPOがんばれ農業人はHさんのような地道にがんばっている農業人を応援することを目的としています。どんな形、どんな方法で応援できるか、われわれに課せられた問題です。


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編集後記

 清水へ祇園をよぎる桜月夜(づくよ)

    今夜(こよい)会ふ人みな美しき

 情熱の歌人、与謝野晶子が歌った夜桜が美しい今頃の京の夜景です。今年のお花見はいかがでしたか。北国や高地は別にして季節は花から新緑へと移ろいます。晴れた日には半袖に着替え、“春の土”の感触を味わいましょう。5月からは美里町の「米作り体験」も始まります。ご応募お待ちしています。


【 リンク集 】

記事関連の写真

遠くに筑波山を望む

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有機栽培のおおば

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ハウス内で年3回のおおばを収穫する

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「籾殻を分解槽につける作業工程