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事前に用意するもの


1、容器

 ベランダのような限られたスペースでの野菜栽培はプランターまたはスーパーで不要になった発泡スチロール製の箱を使います。

プランターはそのままで使えますが、発泡スチロール箱は魚介類、漬物類で使われていたら、まる一日くらい水をはり塩分を抜いてから使用してください。

また発泡スチロール箱を使用するときは、箱の底に水分が流れるくらいの小さな穴を数ヶ所開けておきます。

プランター、発泡スチロール箱の大きさですが、深さは20センチメートル(種からの栽培用)と30センチメートル(苗からの栽培用)、縦、横それぞれ30センチメートル以上のものを用意してください。

2、土

 おいしく、安心して食べられる野菜をつくるためには、使用する土が最も重要になります。

最近ではホームセンターなどでプランター専用の倍土が売られています。値段は何通りかありますが、高いものを用意したほうがいいでしょう。高いといっても一袋千円程度です。

土には酸性、アルカリ性、中性があります。これらの度合いを表す値がPH(ペーハー)と表示されています。PH7が中性でこれより値が小さいときを酸性といい、値が小さくなれば酸性が強くなると覚えておいてください。アルカリ性はその逆でPH7より値が大きくなるとアルカリ性が強くなります。通常作物はほとんどが中性を好みますが、酸性を好むものもあります。

土のPH値を調べるには「酸度測定液」という簡易かつ安値な商品がホームセンターなどで売られています。ためしに買ってきたプランター専用倍土のPH値を調べてみましょう。

弱酸性から中性(PH5,5〜PH7)の範囲内ならほとんどの作物に適しています。

3、種と苗の選択

 ホームセンターなどで販売されている野菜種は、そのほとんどが一袋10ml詰で販売されています。そのためプランター栽培では種の量が多すぎる場合があります。したがって種から育てるケースと苗植え付けで育てる、二つの方法で考えたほうがよいと思います。

<種栽培に適したもの>

 ほうれん草・小松菜・春菊・二十日大根・ラディシュ・チンゲンサイ・こかぶなど

<苗栽培に適したもの>

 なす・きゅうり・トマト・ミニトマト・イチゴ・枝豆・ブロッコリー・キャベツ・白菜・レタス・馬鈴薯など

>> 茂木清一 <<
1948年埼玉県生まれ。埼玉県美里町で農業を営む。元JA技術指導員。
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今回買い揃えたもの。手前の白い箱は魚屋さんでタダで分けてもらいました。

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680円で購入した培養土の成分表。

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PH測定液も700円前後で購入できます。

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鉢底の土は450円で購入。総額2000円未満で準備が整います。